整体の仕事で患者さんを診ていると本当に色々な姿勢の人がいます。
姿勢の分類のページでは便宜上4種類に分けましたが、現実にはその4種類に明確に分類できることの方が少ないです。ほとんどの人が4つのタイプを組み合わせた姿勢をとっています。
このように姿勢を単純には分類できないのですが、よい姿勢となるために必要な要素は共通しています。
- 腹圧
- 柔軟性
- 正しい姿勢の知識と感覚
腹圧
人間のお腹は腹膜という膜に包まれた袋状になっていて(腹腔)、その中に内臓が入っています。腹圧というのは腹腔内の圧力のことです。
風船をギュッと握ると内部の空気の圧力が高まって固くなります。それと同じで腹腔が筋肉でギュッと締めつけられると固くなり上半身を支えてくれます。
その腹腔をギュッと締めつける筋肉が腹筋群(特に腹横筋)になります。
逆に、腹筋がゆるみ腹圧が低いとお腹で上半身を支えられません。そうするとお腹側側が押しつぶされ背中が丸くなります。それを背筋、および背中の筋膜・靱帯といった組織で引っぱることで何とか立つ姿勢を維持することになります。
この状態が猫背です。
一方で、腹圧をしっかりかけて立つと姿勢は自然と真っ直ぐになります。また背中側がそんなに頑張る必要が無くなるので肩こり・首コリ・腰痛といった症状も出にくくなります。
姿勢の要は腹圧と考えてください。
柔軟性
いくら腹圧をしっかり高めても、体が硬いと姿勢をつくることができません。しなやかに動く背骨は良い姿勢を作るために必須です。また、背骨に加えて肩甲骨周辺と股関節の柔軟性がネックとなり姿勢を作りにくくなっているケースもあります。
体操選手のような柔軟性は必要ありませんが、ある程度しなやかに動ける柔軟性は必要です。
この柔軟性も靱帯や筋膜といった組織の柔軟性が低い場合と筋肉の力が抜けずに動きが悪い場合に分けられます。
よく「力を抜いてください」といってもどう抜けばよいか分からない方がいらっしゃいます。そういう方はよい姿勢を作ろうとしても不要なところに力が入り姿勢を作れなかったりメチャクチャしんどかったりします。こういう方はまずはリラックスして力を弛める感覚を養うことから始めなければなりません。また筋肉の興奮を抑えるために整体のような施術を受けることもオススメです。
一方、単純に組織の柔軟性が低い場合、物理的に動かして柔らかくしていく必要があります。こちらはストレッチや体を動かすことが中心になります。
正しい姿勢の知識と感覚
筋力があって柔らかくても、どういう姿勢がよいのかを頭と体で知っておかないとコントロールできません。
ですが、良い姿勢の作り方は学校では教えてくれません。また、誰もが自分は真っ直ぐ立っていると思っているので何が正解で何が間違いかを自分で気付くことは中々難しいです。
間違えたよい姿勢の意識をもつ人に多いのは平背や出尻姿勢です。とにかく胸を張った姿勢にすればよいという意識を持つとこうなってしまいます。
正しい姿勢の感覚は体を反らせるのではなく上に伸びるイメージです。この知識があるかないかで姿勢が全然変わってきます。
上に伸びようとすると自然と腹圧が高くなりアゴも自然と引いた姿勢になります。その時の頭や背中、肩の位置、力の抜け具合などが良い姿勢の感覚となります。
良い姿勢作りには腹圧・柔軟性・知識と感覚の3つの要素が重要だということがご理解していただけ多少か?
整体院fReeの猫背姿勢コースではこの3つをバランス良く身につけることに重点をおいた施術・指導を行っています。